タデ科の仲間では、サクラタデの美しさが絶品だと思う!
天童にいた頃、秋になると山元沼の水辺付近にはタデの仲間のミゾソバ、ハナタデ、イヌタデなどを見かけていました。
秋にはたくさんのタデの仲間が花を咲かせます。
そのほとんどは小さいので、よく見ないと咲いているかどうか分かりません。
ほとんどの人たちは傍を通っても見過ごしてしまうでしょう。
その山元沼に写真撮りに出かけたとき、初めてサクラタデを見かけました。
ほんの数本だけでしたが、名前のサクラタデの通り花がピンクで小さいサクラのような風情でした。
こんな綺麗な花を咲かせるタデがあるのかと吃驚(びっくり)したものです。
数年間、秋になるとサクラタデの花を撮りたいために、天童まで出かけていました。
というのは蟹江周辺ではサクラタデを見かけないからです。
代わりに白いサクラタデがたくさん咲いています。
サクラタデには違いないのですが、ピンク色が脱色したサクラタデが広がったのだと思われます。
西尾張でもどこかで本来のサクラタデが見られるのではないかと考えていました。
もしかすると岐阜県海津市のハリヨ公園や養老山地には咲いているのではないかと思って、いつか出会えるだろうと考えていたのです。
10月初旬にいつも写真撮りに出かける愛西市の福原輪中に行ったとき、ぶらぶら歩いていると田んぼのはずれの叢にピンク色の花を咲かせた植物を見かけました。
何だろうと近づくと、なんとサクラタデではありませんか。
それも1~2、3本という感じではなく群生して咲いていたのです。
とても驚きました。
わざわざ天童まで出かけていたことが不思議になってしまうほどでした。
なぜ西尾張にはほとんど白いサクラタデしかないのに、ここ福原輪中にはピンク色のサクラタデ咲いているのかと考えてみました。
福原輪中は木曽川と長良川の間にある輪中です。
木曽三川の木曽川も長良川も河口近くなので、川幅は100m以上あるでしょう。
そんな環境条件なので一種の陸の孤島のような存在になっているのではないかと考えられます。
この福原輪中では今のところ白いサクラタデは見かけません。
基本的に偏西風の影響で西から東に風が吹くので、この河川の幅を白いサクラタデの種は越えられないのかも知れません。
こんな理由で、木曽川東の西尾張とは違った生態が、福原輪中で見られるのではないかと思っています。
私は福原輪中を陸のガラパゴス諸島と言っています。
因みに山形県の酒田市沖の飛島も、きっと本土とは違った動植物の生態なんだろうなと考えてしまいました。
いつか訪れてみたいものです。
(タデ科 タデ属)
カモ撮りこうちゃん