ヒメアカタテハの占有行動を見かけた

蟹江周辺で見かけるタテハチョウ科には似ているものがあります。

最初はどれがどれだか分かりませんでした。

キタテハ、ツマグロヒョウモンのオス、ヒメアカタテハです。

歩き回っているうちに見かける時期に違いがあることが分かってきました。

キタテハは成虫で冬を越すので、秋の終わりにも早春の時期にも見かけます。

ある意味で1年中見かけるチョウです。

ツマグロヒョウモンは春を過ぎて秋口まで見かけ、数も多いので親しみを感じやすいチョウです。

オスとメスの紋様もはっきり違うので区別しやすいチョウです。

ヒメアカタテハは主に秋になって見かけるチョウで、日光川や善太川の土手の道に降りている姿を見かけることが多いのです。

このヒメアカタテハと同種のアカタテハはとても似ているので、パッと見て区別はできませんが、尾張地区にはヒメアカタテハしかいないようで、アカタテハは今のところ見かけていません。

先日愛西市の福原輪中に出かけたとき、船頭平公園の駐車場近くの土手でヒメアカタテハを見かけました。

路上に降りていましたが、ときどき飛び立ってまた戻ってきます。

それを何度も繰り返します。

飛び立った先には別のヒメアカタテハが飛んでいました。

そのヒメアカタテハを追い払いに行ったようです。

このチョウには縄張り行動があるのかと思われます。

トンボなどではよく見かけますが、珍しい習性です。

そういえば何年か前の7月に、天童市のジャガラモガラの頂上付近でミドリシジミを見かけた時も、激しく別のオスを追い払っているのを想い出しました。

あれも同じ行動だったのかと思いました。

「日本のチョウ」(日本チョウ類保全協会編 誠文堂新光社)では「食草はカラムシ、イラクサ、ホソバイラクサ、ナンバンカラムシなど(イラクサ科)。生息環境は平地~山地の明るい草地。林縁の草地、農地の畔やその周辺、河川堤防、路傍など、小規模な草地でも発生する。行動は日中、草地上を敏速に飛翔し、タンポポ類、アザミ類、リョウブなど各種の花を訪れるほか、樹液や腐果にもよく集まり、地面での吸水も行う。オスは山頂部などに集まり、占有行動をとる。」と記されています。

私が見かけている場所は河川堤防が多く、たまに永和の沼周辺でも見かけたことがあるくらいです。

やはり行動習性として占有行動をとると記されていました。

メスが通るのを待っているのか、どんな理由なのか本人(チョウ自身)に聞いてみたいものですね。

(タテハチョウ科 アカタテハ属)

カモ撮りこうちゃん