東北でよく見かけたヤマジノホトトギス
天童周辺の丘陵地帯を歩き回っていて、色々な動植物に出会いました。
この地域は奥羽山脈の西側にあって、まだ自然が人間より優勢な感じがするところです。
人間によって作られた自然で散策するのではなく、自然の中に分け入って入れてもらう感じがするのです。
天童周辺でもいくつかの場所を定点観測していました。
季節が移ろいでいく中で、見られる動植物も変わっていきます。
そんな植物の中にヤマジノホトトギスがあります。
ホトトギスといえばすぐ思いだすのは夏鳥のホトトギスであり、正岡子規のホトトギスです。
「目には青葉 山ほととぎす 初鰹」と詠われるように5月末になるとヤマに入ると「キョキョキョ」という鳴き声を聞くようになります。
また正岡子規の雅号の子規は「結核を喀血した自分自身を、鳴いて血を吐くホトトギスにたとえた」と言われています。
実際に同じ仲間のカッコウもホトトギスも口の中の色は赤いようです。
ホトトギスは今では園芸植物として庭に植えられていますが、昔は宮城県村田町の丘陵地帯の叢に生えているものを採りに行ったものです。
今ではほとんど見かけません。
そんなホトトギスの仲間のユリ科のヤマジノホトトギスを、天童の丘陵地帯の道路脇の叢で何度も見かけました。
花の真ん中に筒状に見える太い花柱があって、その特長が存在感を感じさせていました。
花は白っぽいのですが、ハナビラにいくつかの斑点があることからすぐにホトトギスの仲間だと分かります。
出会うと必ず写真を撮っていました。
「三河の植物観察」には「葉は互生し、長さ8~18cm、幅2~5㎝の長楕円形で、先がとがり、基部は茎を抱く。葉には暗色の斑点模様がある。~中略~花柱は太く、斑点がなく、先端が深く3裂して平らに開き、裂片の先がさらに2裂し、裂片だけに紅紫色の斑点がある。」と述べられています。
また分布は「在来種。北海道(西南部)、本州、四国、九州」となっており、掲載されている写真は設楽町で撮られていることから、愛知県でも見ることができるようです。
ホトトギスではこのヤマジノホトトギスの他に、蔵王の三五郎小屋付近の山道で黄色いホトトギスを見かけたことが忘れられません。
キバナノホトトギスだったのかタマガワホトトギスだったのか分かりませんが、いつまでも覚えているのです。
これって何なんでしょうね。
(ユリ科 ホトトギス属)
カモ撮りこうちゃん
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