タマアジサイその後の話
多くの人たちは蕾になるタマアジサイは見たことがないのではないでしょうか。
私は初めて見たときには、とても吃驚しました。
こんなアジサイがあることを考えたこともなかったからです。
知らない間に、アジサイとはこういうものだと思い込んでいた自分の認識の在り方を反省したものです。
教育といえば学校教育が中心で、それも意識的に学んだものを教育と考えがちです。
でも自分で意識しないうちに学んでしまう教育もあります。
例えば方言とか、味付けの好みばかりでなく、その地方の考え方などもそれにあたります。
だからこそ当然だと思い込んでしまうのです。
私のアジサイについての認識もそこから来ているのではないかと思います。
いわきの友人から、その後新しい写真を送ってもらったので、そのお礼を兼ねて電話しました。
いわきの名所である水石山への途中にもタマアジサイが咲いていること、また国道6号線の仙台方面に向かう旧国道付近でも見かけたと報告を受けました。
私自身は6号線に平行して走る山沿いの楢葉から浪江の間の崖っぷちでタマアジサイを見かけたのです。
いわき付近にはごく普通に広い範囲でタマアジサイが生育していることが予想されます。
話の中で「タマアジサイは渓流沿いに生えているのが多いのに、川から120m位離れたところにも生えていました。」と話してくれました。
私が見かけたのもそんな場所でした。
渓流沿いの日陰になるところに生えている印象ですが、湿気が多い崖っぷちで日陰になる時間がある場所なら、生育条件を満たしている可能性があります。
また手紙と電話の中で、「水石山へ向かう途中で見かけたタマアジサイは2.5mほどの大木だったようです?」と話してくれました。
私のタマアジサイのイメージは落葉低木で、高くても2mまでで大木にはなりません。
少し疑問を持ちました。
実際に見てみれば確認できるのですが、果たしてタマアジサイなのかどうか不明です。
でもこの時期タマアジサイが大きく開いた花の様子と似た木はいくつかあります。
一番似ているのは「ムシカリ」です。
花の様子はタマアジサイが開いた感じと同じように見えます。
もしかするとそれかも知れません。
でも友人がタマアジサイと関連づけながら、その木を見ようとしたことに敬意を持ってしまいました。
私も何度も経験しているのですが、間違いながら少しずつ正しい認識に辿り着いて行く面白さや醍醐味が認識を得る(知る)ことの楽しさです。
いつでも正解でなければ後は間違いと考える人がなんと多いことか。
それは人の認識の形成についての、それこそ思い込みに過ぎないと思ってしまいました。
(ユキノシタ科 アジサイ属)落葉低木
カモ撮りこうちゃん