ショウジョウトンボのメスかと思ったら、未成熟のオスらしい
飛島村服岡の金魚養殖池の用水路脇の道を歩いていると、シオカラトンボに混じって黄色っぽいトンボが何匹も飛んだりとまったりしていました。
近くに深紅の赤いトンボもいたのでショウジョウトンボだと分かりました。
黄色いトンボが辺り一面にいるのです。
愛西市の福原輪中の人工湿地が埋め立てられて、チョウトンボやショウジョウトンボがいなくなったと報告しましたが、飛島村のこの狭い範囲にはまだ生息しているようです。
そこから少し離れるともう見かけなくなります。
黄色いトンボはメスだろうと思ったものの、そんなはずはないと考え直しました。
未成熟なオスではないかと思ったのです。
これらのトンボが枯れ枝とまって、他のトンボが来ると飛び立ちまた戻ってきます。
縄張り行動のようです。
メスにはこうした行動は見られないはずです。
トンボの中には、羽化した当時は成熟した体色と違った色をしているものがあります。
ハラビロトンボのオスは、羽化したばかりはメスと同じ色で区別できません。
時間が経つにつれてだんだん黒くなってきて、最後はシオカラトンボのオスのような色に変わってきます。
「日本のトンボ」(尾園暁 川島逸郎他 文一総合出版)には「メスや未成熟のオスは橙黄色~黄褐色をしているが、成熟オスは全身が鮮やかな赤色になる。」と記されています。
やっぱりオスは成熟につれて体色が変化するのですね。
多くの動物では成熟しても幼体のままなのはメスで、オスは成熟するにつれて男性ホルモンなどで姿や色を変えていくのではないかと思うようになりました。
典型的にはハラビロトンボです。
他にもカモや人間も同様な感じがしています。
それではショウジョウトンボの未成熟のオスとメスをどう区別するか。
ハラビロトンボの場合は尻尾の形が少し違いました。
オスはメスと交尾する際メスの首を掴むために、鋏(はさみ)状になっています。
メスはその部分が離れています。
同じように考えてショウジョウトンボもそれで区別できるのではないか考えました。
撮った写真を見てみると、メスに見えたトンボの多くは未成熟のオスでした。
見かけた場所ではメスも見られました。
どうもオスとメスが混在して生息しているようです。
オスは成熟すると近くの養殖池に移動して、メスを待つようになります。
ここにいる未成熟のオスとメスは、ほとんど混在して生息しています。
交尾する気配が全くありません。
オスメスともに相手が成熟しているかどうかをどうして判断しているのでしょう。
これはシオカラトンボでも同様でした。
とても不思議でなりません。
(トンボ科 ショウジョウトンボ属)
カモ撮りこうちゃん