久し振りにキアゲハの吸蜜行動を見かけた

蟹江周辺でよく見かけるアゲハといえば、何といってもアゲハチョウ(ナミアゲハ)でしょう。

大きなチョウを見かけると、そのほとんどがアゲハチョウです。

それに比べてキアゲハはこの辺りではたまにしか見かけません。

姿形が両者とても似ているので、区別するのが難しい程です。

子どもの頃は黄色っぽいのがキアゲハ、そうでないのがアゲハチョウと考えていました。

黄色っぽいアゲハチョウも見かけるようになって色では区別できないことが分かってきました。

一番簡単な両者の区別は、キアゲハは表翅の上部が黒いのに、アゲハチョウは黒い線の模様があって全く違うところです。

今はその黒い部分があるかどうかでキアゲハとアゲハチョウを区別しています。

キアゲハを日光川と善太川の合流地点の土手周辺で、3~4年ほど続けて見かけています。

他に日光川の土手でも見かけていますが、とても限定的な感じです。

どうしてなのか、その理由は今のところ分かっていません。

8月26日に合流地点の土手下のヒャクニチソウの花で、キアゲハが吸蜜していました。

最初はアゲハチョウと思っていたのですが、後から動画を見直すとキアゲハだったのです。

その場所にはアゲハチョウも1匹飛んで来て、同様に吸蜜していました。

姿かたちは似ているのですが、幼虫の食草には違いがあります。

アゲハチョウはサンショウ、イヌザンショウ、ミカンなどのミカン科なのに、キアゲハはセリ、パセリ、ニンジンなどのセリ科です。

昔、知人の女性が庭に植えてあるパセリを、夕方暗くなってから摘みに行ったら、そこに軟らかい芋虫がいて仰天して戻ったと話していました。

その幼虫はキアゲハの幼虫だったに違いがありません。

「日本のチョウ」(日本チョウ類保全協会編 誠文堂新光社)には、キアゲハの行動について「日中、草原の上をやや敏速に飛翔し、ツツジ類、アザミ類などの各種の花を訪れる。オスは山頂部で占有行動をとるため、山頂部によく集まり、草上や地面で静止する。夏型のオスは吸水も行うが、吸水性は弱い。」と記されています。

この記述から蟹江周辺の平野部ではなく養老山地など山があるところに行けば、たくさん見かけることができるのかも知れません。

だからこの辺では見かけないのだなと、なぜか合点してしまいました。

(チョウ目 アゲハチョウ科 アゲハチョウ属)

カモ撮りこうちゃん