バンを初めて見かけた

蟹江周辺では同じツル目クイナ科のオオバンはそこら中で見かけますが、バンはこれまで見かけたことがありませんでした。

愛西市の福原輪中の長良川とその堤防の間にあった人工湿地は、1昨年の夏から長良川を浚渫(しゅんせつ)した土砂で埋め立ててしまいました。

その湿地にはチョウトンボやショウジョウトンボなど希少なトンボが生息していたのですが、全滅してしまいました。

埋め立てしていた作業員にその話をしましたが、全く意に介さないままでした。

7月22日に埋め立て前の湿地に写真撮りに出かけたとき、湿地の反対側で嘴が赤っぽい鳥が水面上を泳いでいました。

初めはよく分からなかったのですが、写真を撮ってよく見るとバンだったのです。

これまで鳥類図鑑を見ていてその姿は知っていましたが、実際に見たのは初めてでした。

オオバンと同じ額板がありました。

オオバンは白い額板ですが、バンは赤い額板です。

それがとても印象的でした。

そこには幼鳥と見られる小さな鳥もいて、時々潜っています。

私が湿地の縁を移動すると、親が大きな警戒音を出していました。

観察していると他にもう1羽の成鳥のバンがいて、番いとその幼鳥だと思われました。

ちょうどその湿地には、カイツブリもいて小さいヒナが3羽ほど同じように水面を泳いでいます。

初めはバンの幼鳥の方が大きいので、別の種の成鳥かと思ったのです。

今年になって同じ時期に湿地だった場所に出かけてみましたが、トンボもバンも全く見かけません。

他に移動したと思われます。

長良川沿いで生きているのでしょうか。

「日本の野鳥」では「本州北部以北では夏鳥で、それより南では留鳥または冬鳥。平地から山地の湖沼、池、河川、水田、湿地など。クイナほどではないが、警戒心が強く、少しの物音や影が動いただけで草むらなどに逃げ込む。~中略~ 主に水際や水草の上を歩き回るほか、泳ぎながら、動物質、植物質のものは何でも食べる。」と記されています。

見かけた時期を考えるとこの地方では留鳥なのでしょうね。

食性は雑食のようなので環境さえ整えば、あのバンの親子も生き延びている可能性があります。

またいつかバンを見られると良いなと思いました。

(ツル目 クイナ科)

カモ撮りこうちゃん