存在が気になっていたサルトリイバラ
東北の山を歩いていて山道脇の叢で葉が少し厚く、茎がジグザクでしかも先端部分に髭がある植物を見かけました。
必ず見かける訳ではありませんが時々出会うのです。
それを見かけるとなぜか写真を撮りたくなります。
その植物がサルトリイバラです。
その後、サルトリイバラがルリタテハの食草の1つだと知りました。
ルリタテハは食草としてサルトリイバラ、ホトトギス、オニユリ、ヤマユリなどのユリ科の植物を食草としています。
天童周辺でもサルトリイバラ以外のホトトギス、オニユリ、ヤマユリなどが生えています。
そう考えると、ルリタテハをよく見かけたのはそうした食草があったからだと合点しました。
蟹江に戻って、一度だけルリタテハを見かけて写真を撮りました。
ある小学校の先生に写真を見せたところ、「この辺りにルリタテハがいるのですか。」と尋ねられました。
「善太川の河口の土手で見かけました。」と応えました。
ということはユリ科の植物が生えているはずなので、土手を歩くときはサルトリイバラがないか探すようにしています。
善太川の土手で一度だけ見かけたことがありました。
東北ほど頻繁に見かけていません。
ホトトギス、ヤマユリはこちらにはありませんが、テッポウユリとタカサゴユリの雑種と思われる清楚なユリが8月のお盆を過ぎる頃咲き出します。
自宅の庭や玄関先にも、他から飛んで来たそのユリが花を咲かせています。
でもサルトリイバラは4月末から見かけていたので、ルリタテハの産卵時期を考えると、真夏に咲くユリ科の他の植物より早く長く生えているサルトリイバラが最適ではないかと想像しています。
渥美半島の田原市にハッチョウトンボを撮りに出かけたとき、駐車した広場脇にサルトリイバラを見つけました。
なぜか嬉しくなって、写真と動画を撮りました。
やはり東海地方にもサルトリイバラが生えているのを確認できたのです。
「日本の樹木」(林弥栄編 山と渓谷社)では「各地の山野に普通に生え、時に木にからんで高さ3㍍になる。茎はかたく、節ごとに屈曲し、まばらに刺がある。~中略~ 4~5月、葉腋から散形花序をだし、黄緑色の小さな花をつける。雌雄異株。~中略~ 果実は直径7~9㍉の球形の液果で、紅色に熟す。葉は餅を包むのに使い、根茎は薬用になる。」と記されています。
私は常々「チョウを見たらその食草を思え」と考えています。
その点でもルリタテハとサルトリイバラは対連合しているのです。
(ユリ科 シオデ属)落葉つる性
カモ撮りこうちゃん