キタキチョウの気になる2つの行動
キタキチョウは成虫で冬を越し、1年中見られるシロチョウ科の仲間です。
永和の雑木林の叢(くさむら)では秋にはたくさんのキタキチョウを見かけます。
その頃はセンダングサがたくさんの黄色い花をつけています。
ハナビラが開いているもの(シロノセンダングサ)は少なく、筒状花だけで花が萎んでいる感じがする印象を受けます。
秋にはセンダングサがたくさん花を咲かせるのに、他の植物の花は枯れてくるので、センダングサに寄るのだろうと思い込んでいました。
写真の中には確かにアレチハナガサ、ヒャクニチソウ、セイタカアワダチソウで吸蜜するものもありましたが、センダングサの場合が圧倒的に多いように感じるのです。
6月になるとハルジオンが終わり、ヒメジョオンがたくさん咲き出します。
その花にはモンシロチョウやモンキチョウが集まりますが、今のところキタキチョウは見かけたことがありません。
雑木林脇の畔でセンダングサが咲き出しました。
花の数は多くありません。
その花を吸蜜するキタキチョウを見かけました。
動物には生きるために嫌いなものも食べることは知られています。
好きなものとそうでないものがあるとき、好きなものから食べるようです。
ヒヨドリもムクドリも同じような行動をします。
同様にキタキチョウにとってセンダングサの蜜は、特別な食べ物である可能性があります。
秋のセンダングサを吸蜜するキタキチョウのイメージが強いのですが、考えている以上にキタキチョウとセンダングサの花には深い関わりがあるのかもしれません。
つまり種レベルでのセンダングサとの関係です。
他の気になる行動は、キタキチョウは夏の終わりから秋になると、地面で集団になって吸水します。
夏の暑い時にはこの行動は見かけていません。
ただ湿ったところでも泥があったり、堆肥の場所だったりしています。
集まるのはオスだと言われています。
水分補給なら花の蜜を吸うことで得られるのではと思われます。
なぜ秋なのか、今のところ理由は分かっていません。
とても不思議です。
アオスジアゲハやアゲハチョウも田んぼの泥に降り立って吸水していることはありますが、暑い時期で体内の水分が足りないからだと思われます。
トンボも同様で、暑い時には水面の水を吸水したり、体を水面にぶつけて冷やす行動をとっているのを見かけます。
キタキチョウの集団吸水には何か理由があると思われますが、今のところ分かっていません。
どんな条件のときに、そんな行動をとるようになるのか、これからも観察していこうと考えています。
(チョウ目 シロチョウ科 キチョウ属)
カモ撮りこうちゃん