モンシロチョウの交尾態で感じたこと
野生動物を見ていて強く感じるのは、子孫を繋ぐことが生きているそのものではないかということです。
ヘラブナでもナマズでも春に大雨が降ると、用水路を上ってきて溢れた田んぼで産卵します。
その後水が引くと死骸が田んぼに取り残されます。
卵が干からびることも多いのです。
命の危険を冒して無駄な産卵のためにやってきます。
生得的に仕組まれているとはいえ、自然はそうしたロスを含めて子孫を残す戦略を採っているのでしょう。
当然、水が干からびずに稚魚になって生き延びるものも多いことでしょう。
こんな危険を顧みずに行う産卵行動にはただただ驚嘆してしまいます。
モンシロチョウが花の吸蜜している姿は絵本になりそうな光景です。
でも観察しているうちに、モンシロチョウが羽化するのは次の世代を繋ぐためではないかと思うようになりました。
花の吸蜜は個体維持のエネルギーが必要に過ぎないのではないかと思うのです。
キャベツ畑でモンシロチョウが飛んでいるのは、産卵のためだと知っていました。
モンシロチョウはキャベツ、ダイコン、タネツケバナなどのアブラナ科の仲間に産卵します。
あちこちに飛んでいるのは何か所かで産卵すると思っていたのです。
ある本(書名を失念した)でモンシロチョウのオスが羽化するメスを待ち構えているのだと記されていました。
羽化したばかりのメスと交尾するためです。
メスは一度交尾すると、別のオスと交尾することを拒否します。
尻尾を上げて拒否体勢をとるのです。
キャベツ畑で飛んでいるのはメスを求めて飛んでいるオスの可能性もあるのです。
春にモンシロチョウの交尾態を見かけます。
交尾態で飛んでいることもありますが、安定した飛翔でなく、鳥などに狙われたら一溜りもないような飛翔の仕方です。
交尾態になると草の葉にとまっていることが多く、近づいても逃げ出しません。
今回の動画もすぐ傍で撮ったものです。
この時はとても無防備な状態です。
敵から襲われたら一溜りもないでしょう。
そんな状態で長時間じっとしています。
自分たちの身の危険と子孫を繋ぐ営みとを天秤にかけたとき、子孫を繋ぐ方に賭けているのでしょう。
彼らにとって子孫を繋ぐことが生きていることそのものだなぁと思ってしまいました。
因みにこうした行動はアゲハチョウ、ヒメギフチョウとツマキチョウでも同じでした。
こんな観察の経験から、生きている意味は子孫を繋ぐためにあると言うようになったのです。
本当かなー。
(シロチョウ科 モンシロチョウ属)
カモ撮りこうちゃん