山沿いで見かけ印象深かったクサギ

クサギを初めて見たのは、山形市高瀬から紅花トンネルに向かう道路脇の山道でした。

藍色の実を5枚の赤いガクが支えていてとても目立ちました。

秋が進んで周りが茶色になっていく景色の中で、橙色の柿の他にこのクサギの実が存在感を見せていたのです。

それまでに出会っていたのかも知れませんが、気がつかなかったのでしょう。

「日本の樹木」(林弥栄編 山と渓谷社)を調べてみるとクサギと載っていました。

名前からいって臭いのかなと思ってみると「枝や葉には強い悪臭がある。~中略~ 萼片は長さ約1㌢の卵形で、果期には平開して美しい紅色になる。果実は直径6~7㍉の球形で、光沢のある藍色に熟す。若葉は食べられる。果実をわらの灰汁で煮出した液で布を染めるとあさぎ色になる。根は薬用にする。」と記されています。

いまのところクサギの臭いを嗅いではいません。

いつも離れた場所から眺めているからです。

今度見かけたら近くまで行って揉んで嗅いでみる積もりです。

蟹江に戻ってから日光川の土手や民家の雑木林の中でも、クサギを見かけました。

東北地方にだけ生えていると思っていましたが、この地方にも生えていたのです。

食材として草木染めの材料として使われてきたので、その名残としてこの地方にもあるのかも知れませんね。

「四季の山野草」(畑山陽一 三興出版)には「江戸時代から染色に利用されてきた。花は甘い香りを放つが葉には青臭い臭気がある。夏、枝先に白い花をたくさんつける。若葉の伸びたものを摘み採り、よくゆででから十分に水にさらすこと。においが臭いので手抜きしないでー昼夜水にさらせばにおいは消える。あえ物や炒め物をはじめ、煮物、汁の実、油煮、天ぷらなど。」と記されています。

食材としては、どんな料理にも使用可能な使いやすい食材のようです。

いつか挑戦してみたいと思っています。

クサギについては学び始めたばかりですが、これから詳しくなっていく楽しみがある植物といえるでしょうね。

(クマツヅラ科 クサギ属 落葉小高木)

カモ撮りこうちゃん