タンポポの花を見て気がついたこと

蟹江は名古屋と福田川を挟んで隣に位置しています。

近辺の土手や畦道には2月末から3月になるとタンポポが咲きだします。

都市部に近い環境なので、西洋タンポポが繁茂していると思っていたのですが、3月から4月末まではほとんど日本タンポポが主流です。

そのことにとても驚きました。

天童では道路脇や中央分離帯では西洋タンポポが占領していて、日本タンポポはごくまれにしか咲いていませんでした。

この周辺では日本タンポポが優勢なのです。

土手を改良したり掘り返さなかったから、日本タンポポが生き続けているのだろうと思われます。

東北でシロバナタンポポを探すのが大変だったのに、こちらでは割りと見かけます。

黄色い花を咲かせるタンポポには関東、関西とヒロハタンポポがあるようですが、今のところシロバナタンポポ以外は区別ができていません。

これから勉強していく予定です。

タンポポを観察していて、いくつかのことが分かってきました。

①タンポポは咲きだす時、一番外側のハナビラが1つずつ順に開いていきます。

 外側のハナビラが一斉に開くことはしないで、一つずつ開いていくのです。

 プログラムに沿ってデジタル的に開いていく感じです。

 外側のハナビラが全部開くと、もう一つ内側のハナビラが開いていきます。

 一日中最後まで見ていた訳ではないのですが、そうだと思われます。

②タンポポのある花は咲き出すと2日に渡って咲きます。

 咲いた花は夕方になると閉じて、翌朝になるとまた開いて、その日が終わると萎(しぼ)み始めます。

 夕方に閉じるのはフクジュソウでもカタクリでも同じです。

 寒さで雄しべや雌しべが被害に遭わないようにする戦略だと思われます。

 花の閉じ始めは株によって少し違っています。

 3時頃から閉じ始めるのもあれば、太陽が西に傾き始める頃に閉じ始めるものと色々ありました。

 太陽光線のある波長の増減や気温を感じる感受性が関係していると思われます。

 2日に渡って咲くのは、ハスの花も同じです。

③花が受粉して萎んで子房が膨らみ始めると、茎の長さが伸びていきます。

 シロバナタンポポの茎はとても長くなります。

 余り長くならないタンポポも見かけました。

 風に乗って遠くまで飛ぶには、茎が長い方が合理的です。

 受粉して子房が膨らんでくると、ある成長ホルモンの分泌が起こって、その茎の生長が促進されるのではないかと思われます。

これらの私の疑問と発見は、専門家の常識の範囲内だろうと思いますが、素人の私からすると、環境とタンポポの生理の絶妙の関わり合いに感嘆しない訳にはいきませんでした。

(キク科 タンポポ属)

カモ撮りこうちゃん