ヤツデのような指を持つオオバン
秋から冬になると蟹江周辺ではオオバンをよく見かけます。
善太川、日光川や長良川では群れになっています。
夏には見かけないので、その時期には北の方に移動しているようです。
ユーラシア大陸まで移動する飛翔力はないように思うので、国内を移動する漂鳥ではないかと思います。
オオバンはクイナ科オオバン属に属していて、全体が黒か濃い灰色で、顔に白い額板があります。
その特徴で他のカモや水鳥と区別できます。
水面上を首を前にヒョコヒョコと突き出して泳ぐので、遠くからでもオオバンだと同定できます。
飛ぶことは得意でなさそうで飛んでいる姿を余り見かけません。
危険を感じると、他のカモ類はすぐ飛び立ちますが、オオバンは泳いで離れていく場合がほとんどです。
陸に上がると歩きにくそうに見えます。
潜水する他のミコアイサ、カイツブリやカワウと同じように足が中心より後ろについていて、潜水しますが魚を捕りません。
採るのは水草類です。
私はこれまで「潜水するカモや水鳥は魚を捕る」と規則化していますが、オオバンは例外です。
オオバンで一番印象的なのは、脚の指がけたたましく大きく、ヤツデのような感じなのです。
他の水鳥でこれほど大きな指は見たことがありません。
「日本の野鳥」(叶内拓哉 安部直哉他 山と渓谷社)には「広い水面上を泳いでいることが多く、歩行する姿を見ることは少ない。警戒心は他のクイナ類と同様に強く、警戒時には草むらに姿を隠すのではなく、泳いで遠ざかる。水草の根や葉を好んで食べ、昆虫類も食べる。越冬中数羽から、十数羽、ときには数百羽の群れになって生活する。」と記されています。
私の観察では、土手に上がって歩いて採餌していることも多く、ミコアイサに比べると警戒心は余り強くない印象があります。
危険があると泳いで遠ざかるところは同じです。
潜水して水草を採ること、十数羽の群れで行動するのは記述通りです。
秋から冬にかけていたるところでたくさん見かけるので、だんだんと注意が向かなくなってきた鳥の1つと言っても良いでしょう。
(クイナ科 オオバン属)
カモ撮りこうちゃん