面白い習性のオオジュリン
冬になると日光川と善太川河口の合流地点付近のヨシ原でオオジュリンを見かけます。
オオジュリンはカムチャッカ半島から日本にやってきます。
北海道、東北の日本海側を通って、敦賀湾から愛知県に南下してくるのではないかと推測しています。
オオジュリンはホオジロ、カシラダカと同じスズメ目ホオジロ科の仲間です。
この3羽を並べると区別する自信はありませんが、生息環境の中なら習性が違うので区別できるかも知れません。
オオジュリンはいつもヨシ原でしか見かけません。
面白い習性を持っているからです
カワラヒワもスズメもヨシに捉まる様子は同じですが、オオジュリンは捉ったヨシを少しずつ上がって行って、その茎を齧(かじ)るのです。
ホオジロやカシラダカはそんな行動をしません。
なぜそうするのかとても不思議です。
一説には茎にいるカイガラムシ類を食べるというのですが、ヨシの茎にそれほどいるとは思えません。
茎の髄の柔らかな繊維を食べるのではないかとかってに考えています。
ホオジロの仲間のほとんどは植物の種や昆虫類を食べます。
オオジュリンもそうではないかと推測しています。
そんな習性のためにヨシ原でしか生活できないようです。
面白いですね。
オオジュリンを写真に撮ってパソコンで拡大したら、その中に足輪をしているものがいました。
これまで年違いで2度見かけています。
標識調査のためと思われますが、どこで付けられたのでしょうか。
1972年から山階鳥類研究所が環境庁からの委託を受けて標識調査を行っています。
愛知県でも標識放鳥されていて、私が見かけたものはそれらかも知れません。
その結果、
①放鳥されたオオジュリンがカムチャッカ半島で捕獲された。
②カシラダカは数が減少しているのに、オオジュリンの数は増加している。
③オオジュリンの尾羽(12枚)のうち、羽が異常になっているものがいる。
などが判明したということです。
③の尾羽の異常については、ハジラミや細菌、ウイルス性の疾病などが考えられるようですが、原因が判明していないようです。
オオジュリンのオスは夏羽になると頭が黒くなりますが、冬はメスと同じ茶色です。
春先に夏羽になりかけたオスを偶然見かけたことがありました。
こんな面白い習性がある鳥を見たのは初めてでした。
(スズメ目 ホオジロ科)
カモ撮りこうちゃん