きかん坊で攻撃的なケリ

蟹江周辺には留鳥のケリが住んでいます。

同じチドリ目チドリ科のタゲリは少し小さく、冬鳥としてユーラシア大陸から渡ってきます。

飛島村三福の麦畑では冬を越す10数羽のタゲリの集団が見られます。

東北では見かけなかったケリを初めて見た時、アヒルかと思いました。

それにしては足が長いのです。

飛び立つと羽の一部が白く美しい模様です。

こんな鳥がいるのかと思ったのですが、その後田んぼや畦などでよく見かけるようになりました。

この辺りではありふれた鳥のようです。

夏になると集団行動しているのを何度も見かけます。

夏のある日、ケリの集団が日光川の干潮でできた水溜りで水浴びをしていました。

水浴びしているケリの周りを何羽かのケリが周りを警戒しました。

水浴びは無防備で危険です。

それを仲間が警戒する様子を見て、ケリの連帯感に感心してしまいました。

この集団は親子なのか兄弟なのか分かりませんが、強い絆を感じたものです。

ケリはキーキーと飛びながら鳴くので、その存在を確認するのは容易です。

永和や飛島村の田んぼ周辺で車を走らせると、車に向かって飛びながら威嚇してきます。

車を停めるとその近くで体を低くして羽を広げて威嚇します。

また降りると、飛んで来てさっと反転していきます。

かなり強い威嚇行動です。

女性ならきっと車から降りるのをためらうに違いありません。

カラスの集団なら人が車で近づくと逃げるし、車から降りれば離れて行きますが、ケリは離れません。

少し車を先に進めると別のケリが威嚇して来ます。

本当にきかん坊だなと思います。

この時期は田んぼの畦や叢で産卵・育雛するので、ヒナなどを守るモビング行動ではないかと思います。

それにしてもこれ程の威嚇をする鳥は他に見たことがありません。

冬になって飛島村三福にタゲリの集団がやってきたら、そこに住んでいるケリがじっと見ていました。

そのケリはタゲリの集団の間を歩きながら抜けていきました。

タゲリの存在が気になっているのです。

タゲリの集団はケリに無関心を装っています。

私の目からは、タゲリは先住者のケリに遠慮している感じでした。

タゲリはケリのようにやんちゃできかん坊ではない平和な鳥のように見えました。

同じチドリ科であっても、これほど気性が違う鳥がいるものかと思ってしまいました。

(チドリ目 チドリ科)

カモ撮りこうちゃん