気になっていた鳴声のセッカに出会えた
動植物の写真を撮るために歩き回っていると、春から秋にかけて田んぼや畑の向こうで、ヒーッヒーッという鳴声を何度も耳にしました。
いくら見回しても鳥の姿を見かけません。
いつか鳴いている相手に会えるだろうと思っていました。
7月になって木曽川と長良川の間にある福原輪中の人工湿地に、チョウトンボ、ハラビロトンボ、ショウジョウトンボの写真を撮りに出かけました。
愛西市に属する船頭平(せんどうひら)公園の駐車場に車を停めて、土手の道を歩きながら、湿地のまわりや近くの叢(くさむら)に入っていきます。
時々ホオジロが柵の上に止まっていて、私を見かけると飛び立っていきます。
そんな時に空中高く飛んでいく鳥を見かけました。
少し波立つような飛び方です。
その鳥の飛んでいる写真を撮ろうとしましたが、なかなか上手く撮れませんでした。
その鳥は飛んでいってしまったか思うと、しばらくすると駐車場近くの叢に戻ってきます。
この公園には何度も出かけていますが、いつもこの周辺で見かけるので、この辺りを縄張りにしているのか、巣があるのではないかと思われます。
この鳥が木の枝に止まっているのを見たことがありません。
止まるときは叢のヨシやススキの茎に止まっていました。
そんな習性があるようです。
連日出かけているうちに、偶然、叢のススキの茎に止まっている写真を撮ることができました。
前からセッカではないかと思うようになっていたのです。
「日本の野鳥」(叶内拓哉他 山と渓谷社)の図鑑に、セッカはヒーッヒーッという鳴くことと、叢やヨシ原に生息している習性を知っていたからです。
撮った写真の中に昆虫を咥えていたり、線状のものを咥えている写真もありました。
巣造りしていたのかも知れません。
あの田んぼで聞こえていた鳴声はセッカだったのだと確信しました。
その後、飛島村の稲穂が垂れている田んぼの上を何度もヒーッヒーッと鳴きながら飛んでいるセッカを見かけました。
これまでも見ていたのでしょうが、見えども見えずだったのだと思います。
セッカの習性や生態をもっと知ることできたらと今は考えているところです。
(スズメ目 セッカ科)
参考文献 日本の野鳥 叶内拓哉他 山と渓谷社
カモ撮りこうちゃん