実が美しいムラサキシキブ

天童市にある奈良時代に行基が開山し、平安時代の慈覚大使(円仁)が中興の祖といわれる最上三十三観音第一札所の若松寺(じゃくしょうじ)に、秋になって訪れました。

アパートからその参道下までは、ウォーキングでたびたび歩いて親しんだ道だったのです。

その小高い丘にある寺の裏手からは、天童市内から寺まで上がる道が良く見えます。

裏手の山道をブラブラ歩いていると枯れ葉になっている木々の間に、紫色の小さな玉のような実がパラパラとなっている低木を見つけました。

その実の紫色がとても印象的で心に残りました。

育った名古屋周辺では見たことはありません。

最近になって善太川の土手や民家の庭先で見かけることがあり、気がつかなかっただけかもしれないと思うようになりました。

奥羽山脈の麓である東根市のムクロ沢林道を歩いていると、叢(くさむら)近くでこのムラサキシキブの実がなっていました。

山ではよく見られる植物だと分かってきました。

住んでいたアパートの駐車場脇にも、このムラサキシキブが咲いていました。

山で見かけたものよりは、実が数珠のように連なっています。

同じムラサキシキブとはいえ雰囲気が違うようです。

調べてみると、山で見かけたものがムラサキシキブで、駐車場で見かけたものはコムラサキではないかと思われます。

この植物名の由来は「紫式部」からくるようですが、ウィキペディアには「ムラサキシキミ」と呼ばれていたものが変化したと記されています。

「シキミ」というのは重なる実ということで、実がたくさんなるということでした。

実のなる風情からすると、コムラサキの方が名前に合っているようです。

アパートの近所を歩いていると、庭にコムラサキの白い実がなっている鉢が置いてありました。

野山を歩いていると、ツリフネソウ、ヒメオドリコソウ、ツユクサなどで白いものをよく見かけます。

本来の色が脱落してしまっているのです。

劣性遺伝で突然出てくるのではないかと思っています。

突然変異とは異なる仕組みのように思われます。

でも普通のものと違うと、その希少性の故に価値があると考えられ、商品価値が高くなるのです。

はしりもの、変わり種は社会にとって役立つという規則性の一例となるでしょう。

(クマツヅラ科 ムラサキシキブ属 落葉低木)

カモ撮りこうちゃん