山道で見かけたのはヒキガエルか
山形県天童周辺の山に入ることはかなりの頻度でありました。
天童高原の入り口である田麦野から、5月に猪野沢を経て東根市の国道48号線に抜ける県道297号線の途中で車を停めて、右に入る山道を珍しい植物や鳥に会わないかと思い歩いたことがあります。
その途中上から流れて来る沢の水が溜まった所に、ヒキガエルだと思われるカエルが、水溜りにいるのを初めて見ました。
山のこんな場所にヒキガエルがいるなんて思いもよらなかったのです。
私はカエルの分類ができずに今勉強中です。
これほど大きなカエルはヒキガエルに違いないと思ったのです。
ヒキガエルは通称ガマガエルと言われ、ガマの油の話に出てきます。
しかも筑波山のガマガエルというからには、山中の水溜まりにもいるでしょう。
翌年5月に、今度は関山峠(標高630~650m)の新関山トンネルの道路に平行した山道を歩きました。
昔はこの山道が仙台に抜ける峠で、途中にはガードレールの一部が残っています。
新関山トンネルができてからほとんど人が入らないところです。
関山峠を乗客を乗せたタクシーが、関山隧道(トンネル)の中で、運転手が振り返ると乗客がいなかったという怖い話がたくさんありました。
そんな山道を植物や鳥の写真を撮りながら、1時間半ほど歩いて関山隧道の山形県坑口近くまで歩きました。
途中山菜採りに入ってきた軽トラックのおじさんが二人いましたが、私はその先まで出かけていきました。
途中でカバの仲間の木々やフデリンドウの写真を撮りました。
行き先の山道で、上から沁みだした沢水が山道に溜まっている場所がありました。
そこには大きなカエルが何匹もいて、水溜りに長いゼリー状の卵が産みつけられています。
付近にはメスにオンブしたオスのカップルが何組がいました。
動物はメスの体が大きく、オスが小さいのが一般的です。
ヒキガエルも同様です。
オスは一度メスにしがみつくと絶対に放そうとはしません。
メスはオスをオンブしたまま、枯れ葉の中や水溜まりの中でじっとしています。
これから交尾して産卵するのでしょう。
でもこの水溜りは一時的なもので、卵が孵ってもオタマジャクシが、この水溜りで生きていける可能性はほとんどないと思われます。
ヒキガエルは産卵しやすい場所の条件は生得的に決まっている可能性がありますが、時間経過に伴って産卵した場所が変化し涸れてしまうなどは考慮できないように思われます。
そのことまで考えることができない能力しか持たないだろうと思われます。
きっと無駄死にする割合も多いのだろうなと思ったことでした。
(ヒキガエル科 ヒキガエル属)
カモ撮りこうちゃん