ゴイサギの幼鳥の生きるための試練

ゴイサギの幼鳥は蟹江インターのコロニーで育ってから、8月初旬には親離れします。

その後幼鳥だけの群れで生活するようです。

永和の沼の脇に竹と雑木の林があって、木に止まっていたり、沼の浅瀬で魚を狙っている幼鳥の姿などを見かけます。

群れで行動する前には、成鳥と一緒に飛んでいる様子も見かけたので、一度に親離れさせるのではなく徐々に親離れさせていくのではないかと思われます。

そんな幼鳥たちが生き延びていくのは大変そうなのです。

餌を捕ることの他に、身を守ることの大変さです。

私が見かけたいくつかの例を挙げてみましょう。

町内を流れる佐屋川の有料釣堀りの上空で、ゴイサギの幼鳥の群れが1羽のカラスに追いかけられていました。

執拗に追いかけられて、幼鳥の1羽は土手の叢に降りてしまいました。成鳥なら上手く掻いくぐるのでしょうが、対応ができません。

怯えていてすぐには飛び立てませんでした。

海部郡飛島村には金魚の養殖池があります。

金魚を守るために池の周りにネットを張り、天井部分には5㎝間隔ほどのテグスを張って、水鳥やサギなどが入れないようにしています。

池の水面上や池の中の通路にもテグスを張ってあります。

水鳥やサギなどの捕食者の侵入を阻む工夫をしているのです。

ほとんどのサギや水鳥は分かっていて中には入らないのですが、入ってしまってテグスに引っかかっているものがいます。

養殖業者は死んで腐敗してしまってもそのままにしています。

他の鳥への警告でしょうか。

ある養殖池の傍を通ったら、ゴイサギの幼鳥が通路に張ったテグスに羽がひっかかっていました。

翌日そこを通りましたが死んでいて、その後何日もそのままでした。

永和の沼近くの畦道で、ゴイサギの幼鳥の死骸を見かけました。

その死骸には外傷はありませんでした。

敵に襲われたのではないとすると、餓死したのかも知れません。

その死骸は翌日には見かけませんでした。

その確認前には、トビがゴイサギの幼鳥の死骸を掴んで飛んでいるのを写真で撮っていました。

その死骸をトビが持ち去ったのだと思われます。

トビは動物の死骸も食べるのです。

食物連鎖とはいえ、ゴイサギの幼鳥が死ぬことが他の命を生かすことに繋がっているのだと実感してしまいました。

ゴイサギだけではありません。

どの種の幼鳥たちが自分で自然の中を生きていくことは、本当に大変なんだなあと再確認してしまいました。

(ペリカン目 サギ科)

カモ撮りこうちゃん