メスのイナゴをめぐるオスのせめぎ合いを見かけた

8月を過ぎると、永和駅近くの田んぼの畦道でイナゴを見かけるようになります。

歩いて行くと、畦道からイネの葉や茎にピョーンと跳んで避難します。

その止まった写真を撮ろうと構えると、必ず葉の裏に移動して見えなくなってしまいます。

どのイナゴもそうした行動をとるので、これは生得的に決められた行動のように思われます。

この時期たくさんのイナゴが見られるので写真に撮れそうですが、これが案外難しいのです。

10月初旬の稲刈りが始まる頃になると、何とか写真を撮りやすくなります。

というのは、逃げるよりも交尾して子孫を残すことに専念する時期になるからです。

少し話が脇道にそれますが、最近の稲刈り用のコンバインの性能にはびっくりします。

農協や株式会社が個人の委託を受けて大型のコンバインで刈取りしています。

稲穂がついたイネがコンバインに入ると、モミは収納タンクに入り、稲わらは10㎝ほどの長さに切断され落ちていきます。

昔ならもれ落ちたモミが、野鳥などの餌になりましたが、今ではモミが全く見当たりません。

コンバインの性能が格段に良くなったようです。

また稲刈り中にサギ、カラス、ムクドリなどがやってきて、田んぼのイナゴやカエルなどを漁っています。

まだ刈り取りしていない田んぼの畦では、近づくとイナゴがピョーンと跳んでイネの葉や茎に止まりますが、逃げないものも多く見かけます。

よく見るとメスのイナゴにオスがオンブしている場合が多いのです。

交尾する前の状態のようです。

昆虫の世界では、メスがオスに比べて体が大きく、その理由は産卵のための体力が必要だからと考えられています。

その畦でメスをめぐるオスのせめぎ合い場面を見ました。

3匹のオスがメスの背中に乗ろうと張り合っていましたが、1匹が乗ってしまいました。

すると他の2匹はその場で動かなくなってしまいました。

オスをオンブしたメスと、2匹のオスがすぐ傍にいる構図です。

普通なら傍にいるオスが、メスを奪おうと乗っているオスを押しのけても良さそうなのに、何もせずじっとしたままなのです。

時間が経過すると、そのうちの1匹がその場を離れていきました。

もう1匹はそこにまだじっとしています。

この場面を見て、オスはメスの体に乗ることは生得的に決められていても、メスを取り返すために、乗っているオスに攻撃をしかける行動プログラムが選択肢として存在しないのではないかと思ってしまいました。

ほんとなのでしょうか。

とても不思議です。

(バッタ目 イナゴ科)

カモ撮りこうちゃん