バショウか、それともバナナか迷ってしまう
蟹江周辺にはバショウが植えてある場所が何か所かあります。
そのバショウの背丈は3メートル前後あるでしょう。
これまで写真を撮ろうと思いながらその脇を素通りしていました。
咄嗟にバナナの木だと思いましたが、日本では野外でバナナは育たず、温室だけで栽培されていると聞いていました。
丈はそれほど高くなく、近づいてみるとバナナの実のようなものがついています。
バショウは葉が出たばかりの瑞々(みずみず)しい葉なのに、時間が経過すると葉が細かく切れて見すぼらしくなっていきます。
バショウといえば、だれもが江戸時代前期の「奥の細道」の松尾芭蕉を想い出します。
その頃の江戸にはバショウが植えられていたのですね。
バショウから作られる沖縄の芭蕉布の歴史は古く、12~13世紀頃から織られていて明や江戸幕府に献上されていたということです。
小さいころからバショウをバナナの木(実は偽茎)だと思っていました。
後年になってバナナもバショウもバショウ科だと分かって、なぜかほっとした気分になりました。
善太川近くの畑の隅にバショウらしき植物が植えられています。
バショウとバナナのどちらなんだろうと思いながら写真を何枚か撮りました。
出来ている実はバナナそっくりで、実の長さは短く赤紫色をしています。
実は何段の房になっていてバナナそっくりです。
だんだん大きくなるのではないかと期待しています。
近くで花になる赤い尖った蕾(つぼみ)がありました。
その蕾は伸びていくようなのです。
なぜなら近くで枯れて伸びた花茎があり、先端部はなくなっています。
数日後に出かけてみると、実の中のいくつかが割れて白い果実の部分が現れていました。
触ってみると硬いのです。
やはりこの大きさのままだということが分かりました。
調べてみると、先端の花は雄花で、果実ができるところに雌花があり、そこで受粉して実ができるようです。
雄花の形と色はバショウが丸くて黄色なのに、バナナは尖っていて赤紫色です。
その色の実は花を取り囲んでいる苞(ほう)の色なのです。
また葉の裏はバショウは白い粉がないのに、バナナには白い粉があると記されていました。
よく見ると、雄花の形は尖っていて方の色は赤紫色です。
形と色からするとバナナではないかと思われます。
葉の裏に白い粉がないことから、バショウではないかとも思われます。
他のバショウの写真を撮りに行き、葉の裏を確かめました。
明らかに緑色で白い粉はありませんでした。
バナナかと思う植物の葉の裏と遜色はありませんでした。
どちらも知っている人ならどちらかと同定できるだろうにと思いながら、今迷っているところです。
(ショウガ目 バショウ科 バショウ属)
カモ撮りこうちゃん