ひっつく厄介者 ヌスビトハギとアレチノヌスビトハギ
秋になると叢(くさむら)に入るのが億劫になります。
衣服に植物の実がひっついてくるからです。
イノコズチ、センダングサ、ヌスビトハギ、チカラシバなどです。
特に衣服が毛織物だと被害が大きくなります。
ナイロン製のつるつるした衣服にしているのですが、それでも織り目の境目にひっついてきます。
植物にとっては、実をばら撒く戦略でこうした方法を採っているのですから、ひっつけない訳にはいかないのでしょうけどね。
天童周辺の叢に入ると、ヌスビトハギの実が衣服にひっついてきます。
タオルではたいて取ろうとしますが、少し落とせるだけでほとんどのものは離れないままです。
仕方なく指で一個ずつ取り除くことになります。
特にズボンの前後一面に付くので、取り除くのに15分位はかかってしまいました。
ヌスビトハギは、実の形が盗人(ぬすっと)の足の形に似ているからつけられたと言われています。
ヌスビトハギはマメ科で、花も実も枝にパラパラとつく程度です。
日本の自然に溶け込んだ風情を感じさせる植物の一つという印象です。
蟹江に戻って周辺を歩き回ると、似ているハギの花を見かけました。
私の子どもの頃には見た記憶がないので、外来植物ではないでしょうか。
今では蟹江周辺のどこでも見かける普通の植物になってしまいました。
調べてみたら、北アメリカ原産のアレチノヌスビトハギでした。
従来のヌスビトハギとの違いは、花が華やかなことと、実の4個前後が繋がって生(な)ることです。
ヌスビトハギに比べて、繋がったまま衣服にべったりとひっつくのです。
実の外側に生えているかぎ状の毛によるものだと思われます。
弥富市の海南子どもの国に、トンボとカワセミの写真を撮りに出かけた時、ズボンにびっしりアレチノヌスビトハギの実がへばりついてきました。
ベンチに座って1個ずつ取り始めましたが、30~40分以上もかかりました。
ヨーロッパに日本産のイタドリの異常繁茂と同じように、アレチノヌスビトハギは東海地方で増え続けていくような気がしてなりません。
どんな事情で入り込んできたのか是非知りたいものです。
カモ撮りこうちゃん