なぜウスバキトンボは道路上を飛び交うのかな?
小さい頃、身近にいながら捕るのが難しいトンボがいました。
ウスバキトンボです。
交差する道路上や広場の上を何匹も飛び交っています。
大体同じ空間を飛んでいて、タモ網で捕ろうとしても捕れた記憶がありません。
ウスバキトンボは常に飛翔していて、最近までとまっている姿を見たことはありませんでした。
蟹江周辺でウスバキトンボを見かけるのは真夏から秋口ですが、同じように樹縁の道路上を何匹も飛び交うトンボにコシアキトンボがいます。
7月初旬頃です。
腰の黄色から羽化して間もない未成熟のトンボのようです。
未成熟というのは腰が濃い黄色だからです。
私は長い間、オスは白っぽい黄色でメスは濃い黄色だと思い込んでいました。
ところが天童にいた頃、8月初めに原崎沼で見かけたコシアキトンボは全て白っぽい黄色だったのです。
なぜオスだけでメスはいないのだろうと不思議に思いました。
本来メスは縄張りを作らず、フラフラと色々な場所を飛び回ります。
だからかなあと思っていました。
調べてみると時間経過と共に腰の黄色が白っぽい黄色に変わってくることを知りました。
コシアキトンボの例から考えると、道路上を飛び交うウスバキトンボは未成熟の場合が考えられます。
最終的には水辺に行くのですが、成熟するまではこうした場所で時間を過ごしているのではないでしょうか。
成熟するまで水辺でないところで過ごす習性はシオカラトンボ、ショウジョウトンボやアオイトトンボでもみられる現象です。
シオカラトンボやショウジョウトンボでは未成熟の時はオスとメスが混在して生活しています。
ウスバキトンボが飛び交っている場所でもオスとメスが混在して飛び交っている可能性もあります。
川の土手を歩いているとたくさんのユスリカが蚊柱を立てています。
吸血する心配はありませんが、土手を歩いて行くとつきまとってきます。
払っても払ってもついてくる蚊柱は高いところに集まる習性があるからのようです。
その蚊柱はオスだけで構成されていて、メスが蚊柱に来るのを待ち受けているといいます。
ユスリカの成虫の命は1~2日といわれ、ほとんど食べずに子孫を残すために行動している訳です。
空中に集まる行動について、種が違うものの、ユスリカの場合は成熟しているオスによるものと分かっていますが、ウスバキトンボが集まって飛び交うのは未成熟のトンボなのかそうでないのか、またオスだけなのかオスとメスが混在しているのか、今のところ分かっていません。
飛び交っている場所で陽射しの暑い午後に、草の茎に止まったウスバキトンボはオスでした。
このトンボたちの中にメスがいるのかどうか今のところ不明です。
でも面白い問題だと思いませんか。
(トンボ科 ウスバキトンボ属)
カモ撮りこうちゃん