オグロシギが毎年同じ田んぼに来る不思議?
2023年に見かけたオグロシギ
2022年に見かけたオグロシギ
これまで何年も蟹江周辺の動植物の写真撮りをしていますが、4月は撮る対象が入れ替わる端境期(はざいかき)になっています。
特に鳥では、冬鳥が北帰行して夏鳥が来る入れ替わる時期だからです。
北帰行しないでまだ留まっているマガモ、ハシビロガモやコガモなども見かけますが、それでも少しずついなくなってくるのは例年のことです。
また3月にはツバメがやってきて、4月中頃にはチュウサギやアマサギを見かけるようになり、オオヨシキリの鳴き声がヨシ原から聞こえてくるようになります。
それでも他の季節に較べると、数は圧倒的に少ないように思われます。
数年前に何も撮る対象はいないだろうと思いながら、飛島村の田植え前後の田んぼを走り回っていたら、シギの仲間を偶然見かけました。
それからシギを撮りにでかけるようになりました。
年によって見られる種類は違いますが、ムナグロ、タカブシギ、ハマシギ、キアシシギ、チュウシャクシギ、セイタカシギやオグロシギなどです。
まだ名前と形態が上手く同定できていませんが、そんなことをきっかけに少しずつシギの仲間を覚えている最中です。
飛島村では大型化農業で田んぼと畑を計画的に変えながら植え付けしています。
田んぼが翌年は畑に、畑が翌年は田んぼというように変わっていくのです。
3年前の5月中旬にオグロシギが2~3日立ち寄った田んぼは、偶然数年間変わらずに田んぼでした。
飛島村には田んぼはたくさんあって、どこにも立ち寄れるはずですが、この3年間同じ田んぼだけやって来ています。
なぜこの田んぼなのかとても不思議です。
最近カモやシギの仲間は、家族単位で行動していると思うようになりました。
今回は5羽の群れでしたが、数年前は7羽だったのです。数が少し減りましたが、その家族が田んぼを覚えていて、降り立っているのだと思われます。
その記憶力に感心してしまいました。
鳥たちを観察していると基本的には保守戦略を採っているようです。
冬鳥の過ごす河川や湖沼は、毎年同じ家族がやってくるようです。
そこで命を長らえたので、また同じ場所にやってきます。
一緒に行動しているので子や孫に伝わっていくと思われます。
オグロシギの家族も数年前から来ているこの田んぼで数日間を過ごして、繁殖地の沿海州やカラフト方面に旅立っていくと思われます。
一種の集団記憶でしょうか。
オグロシギと一緒にキアシシギも見かけました。
キアシシギの繁殖地はカラフトやカムチャッカ半島方面です。
途中からは分かれるのでしょうが、混群で行動していると、危険を察知しやすく安全性が高まります。
無事に繁殖地まで行って、また来年もこの田んぼに来てくれることを願ってしまいました。
(チドリ目 シギ科)
カモ撮りこうちゃん