クサフジから考えたこと
天童で見かけたクサフジ
変わり種のクサフジ
中間色のクサフジ
蟹江日光川の土手で見かけたクサフジ
春になってマメ科の中で一番たくさん見かけるのはカラスノエンドウです。
そこら中に咲いています。
5月に入るとそのカラスノエンドウにアブラムシがついて、大量に繁殖し出すとテントウムシやその幼虫が、それを狙って這いまわっているのを見かけます。
そのカラスノエンドウの赤紫色の花よりは青紫色の花を咲かせるマメ科の植物をときどき見かけます。
カラスノエンドウほど多くは見かけません。
それがクサフジです。
天童に住んでいた頃、リンゴの果樹園沿いのアスファルト道路の脇にクサフジが群生して咲いているのを印象深く覚えています。
東北では時々見かけていた記憶があるのです。
その時に撮った写真を見返してみたら、青紫色というよりは薄青色のクサフジだと思われる写真も出てきました。
撮ったとき、変わり種のクサフジだと思って撮ったに違いありません。
小学校低学年理科のテキストに「変わりだね・はしりもの」という教材がありました。
変わったものや本来その季節に見かけないものを子どもに探させて、授業で発表させるのです。
例えば白いアザミとか、真冬のタンポポなどです。
変わりだねやはしりものは社会にとって有用な場合が多々あるのです。
私たちが食べているイネは原産地が中国南部とかネパールとか異説があるものの、野生のイネはもともとはポロポロと落ちる脱粒する性質を持っていました。
その中に落ちない変わり種があって人間が選んで植えるようになったと言われています。
変わり種は社会で価値がある可能性を含んでいるのです。
また天童ではビニールハウスで3月頃にサクランボの花を咲かせる農家があります。
地植えのサクランボは6月半ば頃からが最盛期に入りますが、ビニールハウスのサクランボは5月には収穫して販売します。
そうすると1粒200円くらいになるのです。
はしりものは価値が高まるのです。
私も食べましたが味は普通のサクランボでした。
蟹江に戻って見かけるクサフジはみな青紫色です。
花が房状で横並びになっている風情です。
クズの花も房状になりますが段々になっていてトチノキの花がまとまった感じの雰囲気です。
花の1個1個はカラスノエンドウより大きいと思います。
「日本の野草」(林弥栄編 山と溪谷社)には「日当たりのよい草地や山麓の林のふちなどに生えるつる状の多年草。長さ1.5㍍にもなる。葉は互生し、8~13対の羽状複葉で、先端は長くのびて分枝する巻きひげとなる。小葉は狭卵形で1.5~3㌢。茎の上部の葉のわきから長さ3~10㌢の総状花序をだし、青紫色で蝶形の花を多数つける。和名は草藤で、花と全体の姿がフジに似ていることによる。花期は5~9月。生育地は山野。分布は北、本、九。」と記されています。
皆さんもマメ科のクサフジをぜひ探して見てくださいね。
(マメ科 ソラマメ科)
カモ撮りこうちゃん