柔軟な応用能力を発揮するミサゴの狩り

狩りの方法①:空中から垂直落下による狩り

狩りの方法②:水面上を飛び、脚を開いて少しブレーキを掛ける感じの狩り

日光川周辺では冬になるとミサゴが見られます。

夏になると北に移動するとばかり思っていたのですが、今年の夏、2羽のミサゴが留まっているのを確認しました。

日光川や善太川などの伊勢湾に流れ込む河口には、沢山の魚が生息していて、カワウ、アオサギ、カモメ、トビやミサゴなどの鳥たちの命を支えています。

そんな場所からミサゴが北に移動するのだろうかと前々から不思議に思っていたのです。

北に移動するミサゴもきっといると思いますが、この2羽は夏をこの周辺で過ごしていました。

日光大橋近くの日光川で、先日大群の魚が水面近くに上がってきて、水面が波立っていました。

そこにカワウ、カモメ、アオサギ、トビなどが群がっていました。

その様子を見ていたら、そこにミサゴが飛んできました。鳥たちが入り乱れて飛んでいる中に、ミサゴも同じように飛んでいたのです。

ここ何年かミサゴの狩りを何度も見てきました。

NHKの「さわやか自然百景」でも、空中から水面を見ながら飛翔して、ホバリングしたかと思うと真っ直ぐ水面に飛び降りていきます。

カワセミやコアジサシのように頭から突っ込むのではなく、水面に脚先から飛び込みます。

その勢いで体が水中に入り込み沈みそうに見えます。

それから羽をはばたいて水面から飛び立とうとしますが、飛び立つために懸命に羽ばたきます。

かなり体力を消耗するだろうなと思ってしまいます。

日光川の大群の魚が水面近くに上がって来た状況では、ミサゴは空中から垂直に飛び込まないで、水面上を飛びながら、脚を開いて少しブレーキを掛ける感じで水面上の魚を捕えました。

この捕獲の仕方はトビが魚を捕る時と同じです。

それを見てとても驚きました。

ミサゴはこうした魚の捕りかたができるとは予想していなかったからです。

カワセミでもコアジサシでも、場面の違いに応じて、頭から突っ込んでいく方法を変えられないと思います。

ミサゴも捕獲方法を変えられるとは思っていなかったからです。

それがミサゴの魚を捕る習性だと思っていたからです。

でも違っていました。

本能として生まれつきの行動の仕方が決められていると思っていたのですが、ミサゴの場合には、捕獲方法にバリエーションを持っているようなのです。

その場面の違いに応じて適切に捕獲方法を変えられるという能力を見ると、ミサゴもなかなか高い能力を持っているのだなあと感心してしまいました。

(タカ目 ミサゴ科)

カモ撮りこうちゃん