長旅の途中のムナグロの群れに出会う!
伊勢湾に流れ込む庄内川、新川、日光川の河口にラムサール条約の藤前干潟があります。
NHKの「さわやか自然百景」でも何度か放映されています。
ここはカモなどの越冬場所であると同時に、春と秋にシギたちが移動途中に寄る中継地点として有名です。
いつも定点観測している飛島村はその河口の西側にあって、藤前干潟から遠くありません。
田植え前後に水を張られた田んぼで、こうしたシギの仲間を見かけることがあります。
昨年はセイタカシギ、チュウシャクシギ、タカブシギの他に、チドリ科のムナグロの群れも見かけました。
雨模様の日に、運よくムナグロの群れに出会いました。
数十羽の群れで、水を張った田植え前の田んぼに降り立って、採餌していました。
頻繁に地面を嘴で突っついて何かを食べています。
そんな簡単に餌が見つかるのか疑問に思いましたが、どの鳥もそうしているのです。
地面をチョコチョコとしたと思うと小走りで移動していきます。
カメラやビデオで追いかけるのが難しいです。
中にミミズを捕った1羽を見かけました。
体はツグミくらいでミミズが大きく見えました。
きっとご馳走に違いありません。
鳴き声も可愛い声です。
ムナグロの群れには黒っぽいものと茶色っぽいものがいます。
私はてっきりオスとメスの違いだと思ったのですが、オスとメスの色合いは同じで冬羽と夏羽の違いだけのようです。
このムナグロはダイゼンと似ていて区別がつきません。
でも食性は違い「日本の野鳥」(叶内拓哉 安部直哉 山と渓谷社)では、ムナグロは「食場の草地や畑に降り ~中略~ 主に地中の昆虫類の幼虫をとり、ミミズ類や甲殻類などもとる。」ダイゼンは「干潟などを ~中略~ ゴカイ類を好み、ゴカイの穴に嘴を突っ込んで上手に引き出して食べる。」と記されています。
食事場所と食性で区別できそうです。
このムナグロもダイゼンもオーストラリアから北シベリアまで移動して、そこで子育てします。
移動距離は8000㎞ほどではないかと思われます。
どうしてこんなに移動するのか不思議だとしか思えません。
田んぼで採餌中にカラスやケリが来たら群れが一斉に飛び立ちました。
高く空中に飛び立つのでなく、田んぼのすぐ上を流れるように飛んで行きます。
チドリが海上を群れで飛ぶ雰囲気そのものです。
それを見たとき、チドリの仲間なんだと実感したものです。
(チドリ目 チドリ科)
カモ撮りこうちゃん